Qt パッケージングに関する推奨事項
ディストリビューションでは、複数の異なる Qt バージョンをパッケージ化したい場合があります。Linux ディストリビューションを例にとると、以下の方法をお勧めします:
- 実行ファイルを
/usr/qt6/bin
にインストールするように Qt を設定する。 /usr/bin
に、/usr/qt6/bin
に存在するユーザー向けアプリケーションへの、バージョンの接尾辞を持つシンボリックリンクを作成します。例えば、/usr/qt6/bin/designer
を指すシンボリックリンク/usr/bin/designer6
を作成します。
ユーザー向けアプリケーションとは、ユーザーによって起動される Qt ツールのことです。これには qmake、Qt Widgets Designer、Qt Linguist などが含まれます。moc、rcc、uic などの他のツールは、通常ユーザーが手動で起動するのではなく、ユーザープロジェクトのビルドシステムから起動します。
Qtのビルドシステムでは、ユーザー向けと考えられるツールはそのようにマークされており、その情報は以下のように抽出し、使用することができます。
CMake の引数を使って Qt を設定します:
-DCMAKE_INSTALL_PREFIX=/usr -DINSTALL_BINDIR=/usr/qt6/bin -DINSTALL_PUBLICBINDIR=/usr/bin
Qt のビルドディレクトリにuser_facing_tool_links.txt
というファイルが作成されます。このファイルには、INSTALL_BINDIR
にユーザー向けツールのパスが、INSTALL_PUBLICDIR
にバージョン管理されたリンクへのパスが、それぞれスペースで区切られて記述されています。
このファイルは、すべてのバージョン管理されたシンボリックリンクを作成するために使用できます:
xargs ln -s < user_facing_tool_links.txt
このファイルは、バージョン管理されたすべてのシンボリックリンクを作成するために使用できます。 本書で提供されるドキュメントは、Free Software Foundation が発行したGNU Free Documentation License version 1.3に基づいてライセンスされています。 Qtおよびそれぞれのロゴは、フィンランドおよびその他の国におけるThe Qt Company Ltd.の 商標です。その他すべての商標は、それぞれの所有者に帰属します。