組み込みLinux用Qtフォント
Qt は通常fontconfig
を使ってシステムフォントにアクセスします。fontconfig
が利用できない場合、例えばスペースに余裕のない組込み専用システムでは、Qt はQBasicFontDatabase
を使用します。この場合、Qt アプリケーションは Qt のlib/fonts/
ディレクトリからフォントを探します。Qt はプリレンダリングされたフォントと TrueType フォントを自動的に検出します。
Qt はFreeType 2フォントエンジンを使ってフォント出力を行います。対応するフォーマットは、ローカルにインストールされている FreeType ライブラリのバージョンに依存します。QBasicFontDatabase を使用する場合、Qt は Qt Prerendered Font format(QPF2) もサポートしています。QPF2 は Qt for Embedded Linux 4.x のネイティブフォーマットです。
サポートされているフォントはすべて Unicode 文字エンコーディングを使用しています。現在入手可能なフォントのほとんどはそうですが、通常はすべてのUnicode文字を含んでいるわけではありません。完全な16ポイントのUnicodeフォントは、1MB以上のメモリを使用します。
FreeType フォーマット
FreeType 2ライブラリは以下のフォント形式に対応しています:
- TrueType (TTF)
- PostScript Type1 (PFA/PFB)
- ビットマップ配布形式 (BDF)
- CID キー付き Type1
- コンパクトフォントフォーマット(CFF)
- OpenTypeフォント
- SFNTベースのビットマップフォント
- ポータブルコンパイルフォーマット(PCF)
- Microsoft Windowsフォントファイル形式(Windows FNT)
- ポータブルフォントリソース(PFR)
- タイプ42(限定サポート)
FreeType 2フォントエンジンにモジュールを追加して、他の種類のフォントファイルに対応させることも可能です。詳しくは、フォントエンジン自身のウェブサイトhttp://freetype.sourceforge.net/freetype2/index.html をご覧ください。
FreeType を使用してレンダリングされたグリフは、アプリケーション間で効率的に共有されるため、メモリ要件が削減され、テキストのレンダリングが高速化されます。
Qt プリレンダリングフォント (QPF2)
Qt Prerendered Font (QPF2) は、アーキテクチャに依存しない、軽量でスケーラブルではないフォントフォーマットです。
Qt には、tools
ディレクトリに含まれるクロスプラットフォームなmakeqpfツールが付属しており、システムフォントから QPF2 ファイルを生成することができます。
QPF2 は、対応する TrueType フォントがシステムに存在する場合、その情報を使用して、アンチエイリアシングと複雑な書き込みシステムに対応しています。このフォーマットは、メモリに直接マッピングできるように設計されている。プリレンダリングされていないフォントのグリフをアプリケーション間で共有する場合にも同じ形式が使われる。
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